マザーズ指数先物が上場しました。ご祝儀商いはあると期待していましたが、初日の寄り付きの商いは143枚程度。2日目の寄り付きは12枚に激減しました。三連休明けということもあったのでしょうが、低調なスタートです。初日の日中商いも2847枚にとどまりました。考えてみると制度変更があったからといって、相場が変わるわけではありません。
マザーズ市場ですが、前週は海外の主要指数が堅調に推移していたにもかかわらず、週間ベースで下落の結果に終わりました。リターンリバーサルのノリですと、週明けは買われても不思議ではないのですが、20日まで5日続落となりました。今年は海外投資家による小型株買いが話題になることもありましたが、現時点では外からの注目度はたいしたことはないということなのでしょう。

さて、「マザーズの騰落株線」のところでお話いたしましたが、図表1でマザーズ市場の1日当りの売買代金を月次ベースでみると、昨年までの3年間は5月、6月に売買代金が盛り上がる傾向があり、特に2013年、2014年の売買代金はボトムから2倍になるとピークアウトしました。
今年も年初の水準から2倍程度に達した4月にピークアウトし、7月で3カ月目に入っています。絶対量でみると8月ぐらいまでは減少傾向が続く可能性も高いですが、売買代金はリバウンドに入る(増加に転じる)タイミングに近い、株価も反発に近い、という見方もできます。

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今、なぜマザーズだけ弱いのか? 図表2の週足チャート(終値ベース)でいえることは、2013年から続いたもみ合い相場を上放れたあとの反動安が大き過ぎたためだと思われます。上放れる前の高値水準であった1000P前後で下げ止まらなかったのが要因でしょう。あとは需給の悪化です。
ただ、過去と比べた高値からの下落幅に注目してみてください。直近高値からの下落幅は、2014年1月高値からの下落幅350P、昨年6月高値からの下落幅344Pの範囲内に収まっていますので、現時点で大幅に崩れたチャートとはいえません。
今の水準を概ね意識していれば、26週線に続いて52週線のトレンドもさらに上向きになってきますので、日足でいうところの半値戻し1056P以上に上昇できれば、もみ合いを経て一段高につながるイメージができそうです。
逆に、半値戻しもできず直近安値を下回るようだと、これまでの下落幅以上に下げることになるし、もみ合いの値動きのなかで累積売買高が多かった水準(850P前後)なども下回ることになるため、調整は長引くことになります。

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東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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