米国では一般的に、5月最終月曜日の「メモリアルデー(戦没者追悼記念日)」が夏の始まり、9月初めの「レイバーデー(労働者の日)」が新学期のスタートでもあり、夏の終わりと認識されているようです。
相場でも、"Sell in May and go away. Don't come back until St Leger Day."「5月に手仕舞いして(相場から)撤退せよ、セント・レジャー・デー(9月の第2土曜日)まで戻ってくるな」という格言があるぐらい特別な期間です。今の時期になると毎年耳するこの相場格言。「夏場の撤退」は本当に有効なのでしょうか。
過去を検証すると納得できます。図表をご覧ください。仮に、10月から5月までS&P500で運用し、6月から9月までは市場から撤退するという投資方法(赤のライン)を採用したとします。1996年から今年4月までの約20年間でその投資方法を続けた場合、累積リターンで400%、年率で8.24%となり、実際のS&P500で通年運用(青のライン)した場合の累積リターン235%、年率6.13%を大きく上回るパフォーマンスになります。一方、6月から9月までS&P500で運用し、10月から5月までは市場から撤退するという投資方法(緑のライン)を採用したとしますと、この20年間は全く利益を得られなかったというか、累積リターン-33%、年率-1.94%とマイナスになっていました。
例えば、これを10月から4月、5月から9月に二分しても概ね同じ結果となります。10月から4月まで投資する場合は、累積リターンで375%、年率で7.96%。5月から9月だけ投資する場合は、累積リターンで-29%、年率で-1.70%となりました。
私は信じたくないアノマリーですが、イベントが多い今年の夏場はどうでしょうか?
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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