来週から国内企業の第3四半期決算の発表が本格化することもあってか、東京株式市場は週初から業績が悪くなさそうな内需株(以前に好業績内需株の位置づけで買われたことがある)の下値を拾う動きがでていたようですが、1月20日は日経平均、TOPIXともに昨年9月29日に付けた安値を終値で下回ってしまいました。目先的には、直近の「売られ過ぎ感」を解消するためのリバウンドは予想されますが、底割れによって昨年6月高値を起点に二段下げ目に入ったことが確認されました。二段下げ目の値幅の長短はありますが、下落途中で押し目を買ってきた向きの見切り売り、信用の買い方の追証発生にともなう売りがしばらく続きそうです。それを見込んで先物の売り仕掛けなども入りやすく、またそれが裁定解消売りを誘い下げ幅を広げる、といった悪循環です。こんな下げ相場で日銀によるETF買いが入っても無駄使いになるだけだし・・・
最後はやはり1月24日の「満月」パワーに頼るしかないですね。「満月」「新月」は相場の分岐点になりやすいことで有名です。このコラムでも399回中、何度ネタに使ったことか・・・、昨年の中国ショック時の安値も9月の「満月(28日)」の翌日でした。来週は少しぐらい相場を「明るく」してくれるでしょうか?

以下のグラフは、個人投資家が主体の信用取引の買い残高と、機関投資家が主体の裁定取引に伴う現物株の買い残高の合計(以下、仮需)の推移です。日経平均とほぼ連動する動きになっており、株価の大幅な調整局面では信用の買い方の投げ売り(追証含む)や、裁定取引を解消する現物売りなどが市場への強い売り圧力となるケースが多いです。ただ、2013年以降でみると、概ね仮需がピークから20%程度(2013年以降の急落局面における平均)減少すると株価の下落が一巡する傾向がよみとれます。足元、昨年12月からの下落局面では、仮需が直近発表ベースで5兆5,413億円とピーク(6兆8,247億円)から18.8%程度減少していることになります。ただ、このデータは遅行性があるもので、上記のデータは1/15時点となります。今週も大幅安が続いているため、仮需の残高はさらに減少している可能性が高く、短期的には売りが一巡するバロメータのひとつになるかもしれません。

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東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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