明けましておめでとうございます。今年も「相場一点喜怒哀楽」をよろしくお願いいたします。

さて、2015年の先進国の株式市場は、日本株とドイツ株の米国株に対する優位性が際立つかたちとなりました。例えば、日米を代表する株価指数で比較すると、S&P500が年間で0.7%下落した一方、TOPIXは9.9%の上昇とその差は明らか。2014年までの3年間の年平均上昇率でも、S&P500の18.1%に対してTOPIXは25.9%と、ここ数年は日本株の優位性が続いています。
その兆候はまだ続くのでしょうか?

図表は、TOPIXをS&P500で割った相対指数でTS倍率といいます。S&P500と比較してTOPIXが買われ過ぎなのか、売られ過ぎなのかをみる指標です。海外投資家が日本株の水準感をみる上で重要視しています。ひとつの目安として、1を基準に高くなればなるほどTOPIXがS&P500に対して買われ過ぎ(TOPIX優位)、1を基準に低くなればなるほどTOPIXが売られ過ぎ(S&P500優位)と判断できます。

現在は2012年10月の0.5から、ちょうどアベノミクス相場が始まると同時に緩やかに上昇し、TOPIXが優位の方向で動いています。ある意味、アベノミクス相場は米国株に出遅れた日本株の単なる水準訂正としても説明ができます。長い目でみた場合、2006年以降に米国株の優位が長期間続いたように、今度は1に向けて、あるいは1を超えて日本株優位の展開が続く可能性が高いと判断することもできますね。

ただ、TS倍率が52週線(緑線)を下回った直後に、米国株優位に変化することも過去の動向をみると珍しくなく、足元は少しその兆候が出ています。

長期的には日本株優位の展開は続くかもしれませんが、短期的、2016年前半は米国株のパフォーマンスが優位の局面に変わってくるかもしれませんね。

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東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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