ドル円相場は8/28に付けた戻り高値(121.75円)を上回り、8月急落後の下値固めが完了。円安方向に一段と騰勢を強める公算が大きいようです。一方、短期的には8/12安値(123.79円)前後が上値のフシです。直近高値(123.60円)は、8/24安値(116.18円)から8/28高値(121.75円)までの上昇幅5.57円を、10/15安値(118.07円)からの上昇で当てはめたN計算値123.64円なども意識されており、下落基調が続く75日移動平均線の影響でいったん押しを入れる可能性が高いと思われます。
足元の注目点は、25日移動平均線が上昇に転じ、200日移動平均線や75日移動平均線などを上抜く可能性が高まったこと。それだけではなく、短期と長期の移動平均線が収れんしたあとの好転になりそうで、当面のトレンドは比較的大きくなるかもしれません。75日移動平均線の上昇転換も時間の問題であり、12月以降の展開に注目できそうです。
上値メドは、8/28高値から10/15安値までの下落幅3.68円を8/28高値に加えたV計算値125.43円前後。8/24安値から8/28高値までの上昇幅を8/28高値に加えたE計算値127.32円前後などが考えられます。8/12高値(125.28円)から8/24安値までの下落幅9.10円を10/15安値から上げた背反値が127.17円となることから、高値を更新した直後のフシとして127円台前半は重要です。
日柄面では、2007年6月高値(124.17円)から2011年10月安値(75.55円)までの「53」カ月を先に対等させた2016年2月が重要です。当コラムの第387回 「株、ドル/円とも2月ごろまでボックスか?」でお話させていただきましたが、現在のもみ合い相場から抜け出す起点として注目できるほか、2月まで円安基調を辿る可能性も高まったとみられます。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ