FOMC(連邦公開市場委員会)や日銀政策決定会合を来週に控えるなか、東京市場は国内企業の決算発表(主に第2四半期)にポジティブに反応しています。業績絡みの材料に新日鉄住金や東京製鉄、安川電機そろって大幅高。それらは中国関連といわれる銘柄群ですが、上海総合指数にいったん底入れムードが強まっていたため、ある程度の予測がついた動きでしょう。
問題は来週です。米国でもダウ平均構成銘柄の決算に対する株価の反応はここまでは良好でした。一方、ダウ平均やS&P500の指数でみると、今年の高値から8月安値までの61.8%(黄金分割比率)の戻りを達成。10/21の上海総合指数やナスダックのチャート上の陰線も少し気になります。ここから全体的に少し調整が入るとすれば、業績への反応は少し弱くなるかも。事情は日本も同じ。決算に対する反応が少し変わるかもしれません。
日経平均の予想PERは14.9倍程度(10/21現在)と、欧米主要指数に比べると割安感があります。景気の停滞感が市場に浸透しているだけに、通期業績見通しの据え置きが思った以上に多く、下方修正リスクを払拭することができれば、8月急落後も割安に放置されている銘柄には買いが入る可能性が高い。ただ、業績の支えとなるドル/円相場は、1ドル=118円台に突入するなど不安定な動きが続いています。全体相場的には業績の底堅さとともに、円安の支援材料が不可欠です。
ドル/円相場が2011年10月に1ドル=75円台の安値をつける起点となったのは、2007年6月の124円台の高値です。高値から安値までに要した期間は53カ月。逆に2011年10月から53カ月経過するのは2016年2月です。2011年10月を中心に左右対称的になる時間帯です。2016年2月までは今のようにたいした動きはない(ボックス相場)のでしょうか?
イエレンFRB(米連邦準備理事会)議長をはじめ、FRB関係者は年内利上げ発言を繰り返していました。ただ、停滞する中国景気の影響を受け、製造業の景況感や雇用統計などの弱い結果が出てきており、年内は利上げなしとの見方が強まっています。にもかかわらず、ドル/円相場は下げそうで下げません(円高が進みそうで進みません)。金融政策以外のところでドル高要因があるのかもしれませんが、この下げ渋りが2月まで続けば反動(円安)に力が向くことになるのかもしれません。2月といえば第3四半期決算が発表される時期でもあることから、ドル/円相場に加え、日本株も2月が重要月になる可能性が高いと思われます。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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