ソニー(6758)株が市場の注目を集めている。先日発表の決算では、デバイス分野の黒字化が寄与したことや、今期はテレビ事業が黒字に浮上することなどで、連結営業利益が従来予想の400億円の赤字から、200億円の黒字になりそうだとの報道が好感されました。為替換算による上乗せ分の考慮は必要でしょうけど、下方修正グセはなくなったとみていいのでしょうか。
株価は2010年3月の戻り高値3645円が視野に入ってきました。信用売り残と買い残は拮抗しており、取り組み妙味の高さも買い方にとって今は魅力でしょう。ソニーといえば、相場用語にもなった「ソニーショック」が思い起こされます。2003年4月の決算発表で減収減益となり、土日をまたぐ2日間にわたり株価はストップ安。日経平均株価の方は4月28日にはバブル崩壊後の安値7607円まで下げました。
興味深いのは、「ソニーショック」があった2003年4月を中心に、左右の時間帯「143」カ月が対等するタイミングが同水準であること。1991年6月2863円→2003年4月2900円→2015年2月3064円(2/9現在)です。同じ時間帯が経過する「変化月」かつ、同水準から大幅高を演じる、いわば「ソニーサプライズ」は少し不思議な現象ですが、株価的には評価に値する動きではないでしょうか。
当面の上値メドは、心理的節目となる4000円処でしょうか。そこを上回ることができれば、2003年4月安値2720円から2007年5月高値7190円までの上げ幅4470円を、2012年11月安値からの上昇で当てはめた5240円処まで上昇余地は広がるかもしれません。

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東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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