「下げない相場は高い」「買いにくい相場は高い」「売りやすい相場は高い」、身に覚えないでしょうか? 日経平均は17,500円まであと一歩に迫ってきました。前回、お伝えいたしました主要なフシ目は、2007年7月高値18,261円です。ただ、その前に上回らなければいけないのは17,500円処です。2006年4月高値17,563円、2007年10月高値17,458円がそう。釈迦三尊でいえば、2007年7月高値を「釈迦如来」と見立てると、その左右に配された「普賢菩薩と文殊菩薩」にあたる部分です。結構、重要な節目です。

テクニカル面では、25日線からの乖離率が昨年6月にかけて急落する直前高値のときの水準まで広がっています。やはり無視できません。ただ、200日線からの乖離率をみると、昨年以降の経験則からはそこまで過熱しているとはいいがたい。ですので、目先的な高値を付ける可能性はありますが、それでもって本格調整に入るわけではないのでしょう。
もうひとつは気にしているのは、ダウ平均やS&P500などの米主要指数です。順調に高値更新を続けていますが、上げ幅が次第に小さくなってきているため、新値三本足というチャートでみると陰転しやすい状況にあります。11日、ダウ平均は「十字足(分岐足)」で終了、S&P500は9月18日の高値から10/15安値までの日柄(日数)の対等日柄が経過しました。目先的には反転に注意です。

さて、衆議院の解散・総選挙が話題になっています。1990年以降、8回実施された衆議院総選挙の前後の株価を振り返ると、投票日に向けて上昇しやすいアノマリーがあります。このコラムを書き始めてから8年目に入りましたが、何度か取り挙げたネタです。投票日前営業日の日経平均を「1」として、その前後1カ月の動きをみると明らかです。変化を求めて期待で上昇、投票日を起点に反動、といったパターンです。あくまでも過去の平均なので、前回(2012年)が当てはまらなかったように、今回も当てはまるかどうかは別です。
ただ、実施時期によっては当面の相場の追い風になるケースはあると思います。11日現在の情報では、12月2日公示、12月14日投開票が予想されています。1970年以降、12月に衆議院選挙が行われたのは4回ありました。4回すべて選挙後も上昇が続く結果となりました。師走相場の12月は、何とも説明できないようなワクワク感がありますよね。結構、相場には重要な要素です。

20141113_DZH_graph.jpg

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

--------------------------------

「トレーダーズ・プレミアム」は、個人投資家の心強い味方です!!
http://www.traders.co.jp/