米国株の戻りが凄まじいです。今度こそは戻らない、といった見方が10月前半は多かったようですが、10/28現在、ダウ平均は9/19高値から-1.6%程度の水準まで戻しています。もっと凄いのはNASDAQ、9/2高値から-0.7%の位置まで戻しました。高値を前にいったん調整も予想されますが、ここまで戻るということは高値更新への道筋が見えているからなのでしょうね。見えないと先に進めませんから。

ブラックマンデーは西ドイツのわがまま(短期金利の上昇を誘導)がきっかけとする説があるように、今回も欧州のわがままで下げたような部分が大きいです。当時はブラックマンデーの急落をこなし、株価は高値更新へ向け加速する展開となりました。反動は倍になって現れます。ダウ平均は9/19高値から10/16安値まで1,160ドル程度下落しましたので、その二倍は安値から上昇する可能性が高い。ただ、前回もお話しましたが、9/19高値までの上昇値幅(911ドル)と同値幅を、直近安値から当てはめた17,028ドル処以上に戻すことができれば、ですが。現時点の戻り高値は17,005ドル(10/28)。

10月のFOMC(連邦公開市場委員会)が通過しました。どうしてもFOMCを前にするとイベントリスクに緊張感は高まりますが、4月以降のFOMC結果に対するダウ平均の反応をみると、大した動きはありません。今回もそうでした。しかし、雇用統計は違います(図表)。2013年以降、非農業部門雇用者指数が市場予想を上回ると、ダウ平均は上昇する可能性が高い。市場予想を上回ったのは11回ありましたが、当日のダウ平均は10回上昇しています。市場予想を下回った10回のなかでもダウ平均は5回上昇していますので、結構な上昇確率ですよね。11/7発表の雇用統計までは調整、雇用統計の発表で高値更新へ・・・といった流れではないでしょうか。

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第340回でご紹介したアンリツ(6754)は戻りが鈍いです。もう少し辛抱してください。下落基調にある25日線が接近しています。25日線付近から少し長めの陰線が出るようだと、まだ下落余地があるかもしれません。25日線を上回るとアク抜け感がようやく強まってくるような気がします。
一方、希少価値の高いチャートパターン(第331回をご覧ください)のオムロン(6645)は業績上方修正、自社株買い、増配と三点セットが好感されました。今回の決算内容をきっかけにファンドなどへの組み入れが増加するでしょうし、前は大証がメーン市場だっただけに、まだ持ってない大口投資家などの見直し買いも継続する可能性があります。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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