国内の決算発表が本格化していますが、オムロン(6645)は印象がいいですね。実は、別の仕事で数百銘柄程度の年足をチェックする機会があったのですが、希少価値の高い長期波動の銘柄のひとつであることに気付きました。まさに、「チャートの動きはファンダメンタルを反映している」といった、従来からの感覚を再認識したところです。
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析はよく比較されることがあります。相場の局面によって、どちらかに比重を置くということはあっても、片方だけでの投資判断は禁物です。両方重要なのです。ただ、投資家によって、どちらを先に見るかといった違いはあると思います。ファンダメンタル分析は企業価値の分析、テクニカル分析は株価の動きを分析することです。ファンダメンタル分析から入る方は、好業績銘柄を抽出し、その銘柄のチャートを見て買いだろうか、売りだろうか、と判断することがあると思います。ただ、業績が良いので買う前提になってチャートを見るので、重要な部分を見落としてしまうことがあるかもしれません。一方、テクニカル分析からから入る方は、最初から銘柄の特性や業績を判断材料にしない。上昇しそうなチャートパターンの銘柄を探し、その銘柄の業績をどうみるか、といったように、最初から銘柄ありきではないのです。ただ、概ね、よさそうなチャートパターンは、やはり好業績銘柄が多いのは確かです。それに当てはまったのが、オムロンだったということです。もちろん、私の主観です。
よさそうなチャートパターンというのは、アベノミクス相場において中長期の買いサインが確認(上場来高値を更新したなど)できたもの。そして今年に入り、短期的な調整局面にある銘柄です。それだけではまだまだ銘柄の数が多すぎるのですが、特にその中でも、過去2回以上繰り返した同じ高さの高値をアベノミクス相場で上回った銘柄が有望なのです。オムロンは、バブル高値→IT相場の高値→新興国相場の高値が3,500円付近でほぼ水平に抵抗線を引くことができます。2013年にその強い節目を上抜けたあと、今年に入って3,500円水準まで調整をしていましたが、そこが押し目買いになる典型的なパターンでした。「青天井」ってやつです。今後レンジを大幅に上方修正する可能性が高い。バブル崩壊後は3,500円~1,000円の動きでしたので、3,500円から2,500円を足した6,000円はあるのではないでしょうか? これも私の主観です。その部類に入る銘柄や予備群はまだありますが、数多くはありません。日本精工(6471)も29日発表の決算を好感し、上場来高値を更新してきました。考え方は同じです。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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