国内の景気後退を指摘する見方が一部にでてきました。内需株でこれまで上昇が続いた銘柄は少し買いづらくなってきたようです。内需株でも出遅れた銘柄を探さないといけないでしょうね。例えば、娯楽・レジャー関連のラウンドワン(4680)とか。11年7月以降、長く続く下落トレンドラインを上回ってきました。短期的にも二番底の完成など。値ごろ感が出てきたのは確かですが、足元の業績のトレンドはまだよくありません、が、底値から立ち上がる株価には何か要因があることが多いのです。不安定な動きは続くと思いますが、チェックしておくべき銘柄でしょう。今度の年末年始は1月4日を休めば証券マンでも9連休が可能。事業会社で勤務されている方はもっと長い人もいるでしょうし。
出遅れた内需株以外では、円安頼みで外需株が狙い目です。例えば、トヨタ自動車やコマツ。両者とも株価は8月高値を前に下に押し戻されていますが、そこを上回ると全体的に外需株に目がいきやすくなります。トヨタ株は夏場以降の下値固めができてきます。今はスバル株やいすゞ株の方が元気ですが、「人の行く裏に道あり花の山」です、乗り換えを。
一方、コマツ株の週足は26週線を上回り、しばらくはゴールデンクロス待ちといったところでしょうか。中国の上海総合指数は逆三尊型の下値固めにあと一歩。国内企業の今期業績見通し下方修正や据え置きは、中国絡みの不透明要因を挙げる企業が多かったようです。そんなにひどくなかったね中国~といったニュアンスがマーケットに出てくるまでは、日本株は不安定な全体相場が続きそうですが、まずは、あす発表される10月の中国経済指標で、9月の改善モメンタムが続くかに注目です。
日経平均は8860円前後を推移する25日線を割り込んでしまいました。いやなムードです。さて、「第242回 底入れか、真ん中か」の中で少し触れましたが、200日線のトレンドが当面のポイントになります。
移動平均線はある特定期間の終値の単純平均値です。200日線だと、200日前から直近までの平均です。なので、移動平均線が今後どういったトレンドを描いていきそうかは、ある程度は想定ができるのです。私はよく、その方法で株価波動の予測をしています。
さて、日経平均は現在から200日前の水準が今年1月から急上昇した局面に応答しています。ということで、あと半月程度で200日前の株価は現在よりも高くなります。現在値もここから急いで上昇しないと、200日線のトレンドは下げに転じ、株価は200日線をこれまで以上に戻りの限界点として意識しやすくなります。一段安につながるシナリオも想定できます。それを回避するためには、200日線は当然のこと、9/19高値9288円を早期に上回っていく動きが必要なのです。10月後半以降、200日線を抜けそうで抜けない繰り返し。何かを暗示しているのかもしれません。
昨晩の米株の下げも妙ですね。「財政の崖」というけれど、大統領選挙前からずっと言われてきたことだし、大統領の再任、上院・下院の支配政党に変化なし。何も変わってないけれど、300ドル安はどうして?と、私は朝の通勤電車のなかで新聞をそっちのけでずっと考えていました。見えないところで何かが変わっている可能性はあるかも・・・
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ