米半導体株指数が大幅高。インテルの決算が発表され、短期的な業績下振れは織り込んだような雰囲気です。米半導体関連を中心としたハイテク株の反発が、ダウ平均の13,000ドル超えのけん引役となるかが注目点の一つです。米主要企業の4-6月期決算を好感するムードが続けば、足元の景気指標が多少悪化しても、投資家心理の極端な悪化はないような気がします。

一方、日本株は戻りの鈍い展開です。日経平均は、2012年6月26安値(8,663円)を終値ベースで下回らず、反発基調を強められるかが焦点。本日も25日線(8,820円)を終値で上回ることができませんでした。上回ってくれば、短期的には75日線(9,020円)まで上昇する余地が高まるのではないでしょうか。ただ、そのケースでも、2012年7月4日高値を起点とした三波動(下げ、アヤ戻り、下げ)の調整波の中における、75日線に向けたアヤ戻りという認識にとどめた方がよいのかもしれません。

逆に、25日線下でもたつく動きが長引くと、25日線はやがて下げに転じ、75日線とともに当面の上値の抵抗に変化する点には注意したいところです。

米国では大豆先物が過去最高値を更新する勢い。小麦も後追いで上昇を強めてきました。大豆やとうもろこしなどの穀物相場は、これまでは金や原油相場に連れ高となるケースが強かったのですが、足元は独歩高の展開となっています。

米国は世界最大の穀物供給国。大豆の作柄が24年ぶりの低水準になるということで、米農務省は今後の生産見通しを下方修正しました。一方、中国では大豆の輸入量が6月は前年比31%増と5ヶ月連続で増加が続いているそう。

そういった供給不足を見越してか、投機資金が流入しています。2008年は原油先物、2011年は金先物と大きな高値を付けた相場がありましたが、今度はこれまでに大相場がない穀物相場にポジションを積み上げています。

穀物高を価格転嫁しづらい「川下」の食品や小売は不利。ダイレクトには穀物関係に強い伊藤忠商事(8001)や丸紅(8002)などが連想されますが、大きすぎる。

例えば、食糧生産の拡大や生産性向上のための農機具の発想で、クボタ(6326)や井関農機(6310)とか。肥料・農薬などに関係するような、クミアイ化学工業(4996)などが注目とみています。

そのほか注目の個別では、今日の日経CNBC(毎週木曜日、9時40分頃)の中継で触れましたが、中期スタンスでシップヘルスケアHD(3360)。医療・介護に特化のコンサルティング、医療機器・設備の販売なども手掛けています。病院の投資意欲拡大に恩恵があることや、調剤薬局や老人ホームの買収で規模拡大に取り組む点に注目しています。株価は今年5月に2,140円まで上昇する場面がありあしたが、比較的深い調整のあと再び出直ってきています。年初来高値(2,140円)更新に続き、上場来高値(2,410円)更新のシナリオを描いています。

東洋ゴム工業(5105)は北米を中心にタイヤ販売の堅調。株価は前回5月高値からの調整幅49円前後を、直近高値275円から下げた水準から反発の兆し。25日線からのマイナス乖離が10%近くまで広がってきたこともあり、短期的なリバウンドはあるか。当面もみ合ったあと直近高値275円を上回れば、340円処までの上値余地が広がるとみています。 

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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