TOPIXの新値10本足が陽転!日本株の一段高に期待したい局面ですが、日経平均では戻り売りが出やすい水準(8,900円)に加え、直近の上昇で過熱感もあってか、さすがに上値が重くなってきた様子です。1月17日以降、取引時間中の高値を日々更新する動きが続いていますが、今日は前日高値(8,911円)を前に伸び悩む展開となっています。
米国市場ではハイテク株が元気ですが、昨晩のナスダック指数(ハイテク株が主体)は、昨年7月27日に形成したマド埋め(2,832P)に近い水準(高値2,822P)まで上昇しました。雲のネジレのタイミングにも近く、今晩の動きに注目でしょうか。過去の動きをみると、雲のネジレでピッタリと変化日になったケースは少ないのですが、マド埋め水準で買い一巡となるパターンはよくありますから、注意が必要です。
一方、日経平均の月足の一目均衡表では1月は転換線(9,171円)が下げ止まり、雲の下限水準が2月まで切り上がっています。1月の遅行線の位置(今月を含めて26ヶ月前)は2009年12月に一ヶ月間で1,200円上昇したタイミングとなるため、同じように1月か2月相場は意外高も・・・と年初に妄想を描きましたが、2月にかけて可能性が高まってきた雰囲気です。ダウ平均が13,470ドル(前回参照)までいけば、日経平均も9,300円処まであるでしょう。
さて、トヨタ(7203)の新型「プリウスPHV」が来週から発売されます。PHVとは家庭用電源などから充電できるプラグインハイブリッド車のこと。「HV(ハイブリット車)」と「EV(電気自動車)」の中間的な存在です。スマホを通じて電池残量や充電ステーション設置場所などの情報を提供するサービス、販売店などに設置された充電ステーションを無料で利用できるサービスなどもあるみたい。
プリウスPHVだけでなく、今年は日産自動車(7201)が電気自動車の量産を始めることや、独フォルクスワーゲンが2015年までに電気自動車などの電動車両を10車種以上投入するとかで競争は激化してきます。本格的な普及はまだ先でしょうけど、リチウムイオン電池や充電器、スマートハウスといった関連ビジネスの拡大は約束されているようなものです。
とりあえずはリチウムイオン電池に注目してみましょう。リチウムイオン電池の自動車向け用途は、PCや携帯電話向けよりも全く比較にならないほど小さいです。株式市場では頻繁にテーマとなり物色される局面はありましたが、まだこれからでしょう。
リチウムイオン電池は材料メーカーに特に恩恵大。正極材では田中化学研究所(4080)、負極材では日本カーボン(5302)、日立化成工業(4217)、電解液では宇部興産(4208)、セパレーターでは旭化成(3407)ですが、チャート面を考慮すると日本カーボンと旭化成にじっくりと妙味がありそうです。
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ
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