やっぱり、そうだったか・・・。と思ったのは今日の日経平均の下げです。6月12日と15日に結果的にできあがったアイランド・リバーサル。要するに、株価がマド(空)を開けた状態で、離れ小島のような動きになる売りシグナルです。
 ただ、それだけのケースはよくあるのですが、昨日(17日)の足がそれを決定づけたような気もします。私も弊社の相場コメントには強く書けなかったのですが、"差し込み足"、といって、安く寄り付いて陽線となる動きで、売りシグナルになり得る足なのです。酒田手法では、"差し込み足"は追撃売りの急所と紹介されています。
 差し込みといっても、前日の陰線に対してどれだけ差し込んだかが重要になるのですが、やはりあまい差し込み方だとダメなのです。前日の陰線の半分以上の水準まで反発できないと、翌日は今日のようにNY市場にやや下げ止まったかのような雰囲気があった状況でも、あっさりと下で寄り付いてくるものです。
 また、チャートを見ないとわかりづらいお話で申し訳ありませんが、5月14、15日のようなパターンですと、また今回とは違った解釈になるのです。つまり、14日の陰線に対して、反発でスタートし、尚且つ陰線の高値を超えて終了するケース。これは一見、わかると思いますが、相場はまだ強いのです。

 以前、「200日移動平均線(以下、200日線)」についてお話させていただきましたが、急落後の反発局面では、中期的に200日線あたりが相場の上値抵抗になることが多いですね。1991年、1992年、1995年、1997年、1998年などは、下向きの200日線を上回りさらに上昇するのですが、いずれ200日線の下向きパワーに負けてしまって、結局反落を余儀なくされています。今回もそのパターンになるケースかもしれません。
 自論ですが、株価には小さな振幅の動きがありますので、5日、10日などといった短期の移動平均線に対しては、さほどダマシもなくぴったりと上値抵抗や下値支持となるケースが多いのですが、200日ともなれば中期レベルの長さになってきますので、上値抵抗といってもぴったり止まるケースは少ないです。というのは、200日まで戻る相場にもなると株価にはファンダメンタルズの勢いが付いていますので、同線を上回って推移する期間がある程度生じるものだと思っています。中期的な上値だからダマシもそれなりに大きいといったところでしょうか。
 以前、お話したときの200日線は9650円処でしたが、現在は9100円処の水準まで下がっています。当然、株価が下がらなくても同線とのかい離が広がっていくわけで、ようやく下向きパワーが効き出したのでしょう。200日線処までは一旦下がる可能性もありますが、その後は横ばいで数ヶ月間推移するのではないでしょうか。

 世界の各主要指数が上値の節目にほぼ到達したタイミングに歩調を合わせるかのように、マクロ指標の悪化などが売りの理由とされる雰囲気が漂っています。まさに、安値から初動の上昇が一旦頭打ちとなる典型的なパターンでもあり、短期的にはリバウンド局面でも利益確定売りを急ぐ雰囲気が優勢になると思われます。ただ、今回の安値からの上昇が40%を超えるなど、その過程では中期買いシグナルが点灯したことを忘れてはいけません。
 2007年高値からの下落相場のなかでは、昨年6月の戻り高値からの下げが特にきつかったですね。しかし、力強く地面に投げつけた(安値を叩いた)ポールがしっかりと地面にくい込んでいるなら、3月安値からほぼ一本調子で上げたポールはしっかりと立っているはずです。ポールの上の方に少々重し(もみ合い)が付いてきても、倒れそうにない角度で立っているように見えませんか?そう思うのは私だけかもしれませんが、倒れるポールは最初からもっと角度は低いでしょうね。

 市場は環境関連株が乱舞している状況でもあり、ある意味、底辺の地合いは良い証拠です。環境関連株もそうですが、人気低位株相場が終わったあとは直感的に何が次に立ち上がってくるでしょうか。足元の相場に順張りでのった短期資金はかなり潤ったはずです。
 先んずれば、その人たちは次に何が動き出したら、集まってくると思われますか?次は何だ、次は何だと・・・知らない銘柄は思いつかないわけで、それは過去に個人に人気化した株であって、みんなが知っている、わかりやすいものに集まるのでしょう。低位がきたから次は・・・?といった具合に。
 今度は出遅れ走者ではありません。さらに儲けようと欲が強くなっている分、効率の良いものを狙ってくるはずですね。結局、土曜や日曜日に銘柄研究で、月曜日に出動となるパターンも多いわけですが、おそらくそのような銘柄は金曜日に兆候が出ていると思います。週末だからポジション調整の売りが・・・といわれますが、逆にポジションを作らないといけないケースもあります。まさに美人投票の瞬間ですね。上手く来週から物色が変化してくるでしょうか?
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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