日経平均株価は325円安と5日続落となりました。下方からマドを明けてのスタートとなり、ローソク足では下ひげ陰線、または、“たくり足”とも言います。深い井戸に落ち込んだ物を、たくり上げる勢力の発生を意味することから、その名前が付けられましたということです。実際はもっと下にたくった跡があって、実体部分(陰線ですからローソク足の黒い部分)は短い方がよいのですが、今日は買いシグナルの“たくり足”にしておきましょう。ここまで下げたんですから、何か底入れのシグナルが欲しいところだったので・・・。

きっちりとお話をしますと、9月18日安値15780円を意識すると思ったのですが、あっさりと下回ってしまいました。しかし、9月11日の安値15610円はサポート水準として意識されました。実際、ここで止まったのは重要な意味もあります。8月急落後の安値から反発に転じたローソク足の形状(何かで確認してください)は、“陰の陽はらみ“といって強い底入れシグナルです。一般的には、はらんだ陽線の安値が下方向へのブレイクポイントとされていますので、9月に下落したときも下回らなかったですし、今回下回ってしまうと下振れリスクが高まるところでした。明日以降、まだ下げるかもしれませんが・・・。下値メドで結構重要なのは9月20日の安値です。

なぜ、今日の安値は15626円で止まったのでしょうか。11月1日高値16887円から11月6日安値16144円までの下落幅743円を、11月6日高値16353円からの下げに当てはめると15610円となり、ほぼ一致します。いや、15610円というと先述した9月11日の安値とぴったりと一致するではないですか。要するに、11月6日のアヤ戻しが9月11日の安値15610円を意識するように折り返し地点をつくってくれたのです。そのような逆算の考え方で、アヤ戻りや上昇過程での押しのメドがつかめたりします。日経平均は225銘柄の平均ですので多少ズレはありますが、ほぼ到達したのではないでしょうか。今日の日中取引の日経平均先物価格で同じ期間、この計算方法を用いるとピタリと合致します。ただし、日経平均先物の折り返しシグナルは十字足でした。十字足が出現して翌日下がったら、”真ん中のシグナル“と、よく先輩が言っていました。目先底入れの可能性が出てきたと思いませんか。明日の寄り付きは11月限のオプションSQのため、多少のブレは予想されるのですが、一日通しては反発が期待できるのではないでしょうか。

次に日柄です。日経平均株価ですから終値を使います。終値ベースで安値をつけた9月10日から終値ベースで高値をつけた10月11日までは21営業日です。逆に、高値10月11日から21営業日目は今日になります。ちなみに、8月急落時の起点を7月20日とした場合、そこから21営業日目は8月17日の安値となります。日柄のサイクルからも、今日か明日で目先安値の可能性が高まったと思っております。明日から5日移動平均線の下落角度はなだらかに変化します。そして、この5日移動平均線が横ばい気味になりかけたところで陽線が出たり、マドを明けて上昇となったりするのです。いつかこのコーナーで書きましたが、下落している移動平均線を上回るのは至難の業です。5日移動平均線が横ばいになりそうな前日に出動といったところでしょうか。でも、16500円手前では戻り売り圧力は予想以上に強そうです。

(トレーダーズ・アンド・カンパニー 東野幸利)

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