今年もあと一営業日を残すのみとなりました。明日は納会で、このつぶやきも年末の挨拶をさせていただこうと思っているので、今日は今週月曜から書いている投資やマーケットの考え方シリーズの第4回(最終回)を書きたいと思います。「ポートフォリオ再考」「来年のリスク」と来て、昨日は「宇宙飛行士の目」という題で俯瞰することの大切さを書きましたが、この俯瞰・鳥瞰する際に、有効な手法と気を付けるべきことが、それぞれひとつずつあります。

先ず俯瞰と云っても、高い所から見ているつもりになれば、それだけで物事が網羅的に見えてくる訳ではありません。近くよりも遠くから見る方が、物事の全体像は見えるものですが、それでも尚、同じ方向から見ているだけでは、物事の側面はハッキリとは見えませんし、裏面は決して見えません。なるべくいくつかの視点から、出来れば全方向から、物事を観察して、その上で頭の中で俯瞰して全体像を再構築するのがベストの方法です。いわばCTスキャンをかけるような気持ちで物事を観察すると、バランス良く全体像を見ることが出来ます。これが有効な手法。

一方気を付けなければいけないこともあります。或る物事を観察する場合に、その物事だけに視線を集中すると、それは全方向から見ても、その物事しか見えません。しかし物事はその環境と共に、或いは環境によって、動くので、物事の今後の推移の方向を理解するには、その物事の周辺にも注意を払う必要があります。
ウキを見るだけでなく、その周りの水を見るような気持ちです。マインドフルな俯瞰と云うことも出来るかも知れません。

この2つ、全方向から見ることと、周りも見ること。こうして俯瞰することが、特に投資やトレーディングをする際には、大切だと思います。それでは明日は納会。今年最後のマーケットを楽しみましょう!