明けましておめでとうございます。年頭にあたり、本年も引き続いて本欄をご愛読くださいますよう心よりお願い申し上げます。

さて、新年最初の更新となる本欄では、やはりドル/円の動向に触れておきたいと思います。周知のとおり、ドル/円は年明け2日に一時105.44円までの上昇となり、そこから反落して一時は104円を割り込む場面を垣間見ることとなりました。本欄では以前から、ドル/円の当面の上値メドを104円台後半~105.50円あたりとしてきましたから、年明け2日の高値をもって当座の目標水準にほぼ到達したと見ることができるでしょう。

おさらいになりますが、105.50円あたりの水準というのは07年6月高値から11年10月安値までの下げに対する61.8%戻しの水準にあたり、非常に重要な節目の1つとして意識されるところです。したがって、とりあえず同水準にまで到達したということは、それなりに達成感が拡がりやすく、ともすると今後は同水準が当面の上値の壁として意識されやすくなる可能性があります。

これまで本欄で繰り返し述べてきたとおり、筆者が相場予想のメーンシナリオとしているのは「5波で構成されるドル/円の強気相場」です。そして、下の図にも見るとおり昨年5月22日高値から10月8日安値までが「第4波」、10月8日安値からが「第5波」と想定したうえで、現在は「第5波の終点」を見定めることが最大の焦点と考えています。

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本欄の2013年12月4日更新分でも述べているように、ドル/円の「45-50週安値サイクル」の見方からすれば、昨年12月から今年2月あたりに第5波は終了する可能性が高いと考えられ、すでに現在はその時間帯に突入しています。また、水準的にもすでに適当な域にまで到達しており、場合によっては年明け2日高値=105.44円が第5波の終点となった可能性も否定はできないものと考えられます。

そこで注目しておきたいのは、まず21日移動平均線(21日線)がドル/円の下値サポートとして機能し続けるかどうかです。同線は昨年11月8日以降ずっとドル/円の下値を支えてきており、ここ数日の値動きのなかでも依然として下値サポートとしての役回りを演じ続けています。それだけに、今後ドル/円が21日線を明確に下抜けた場合、そのインパクトはそれなりに大きいということになるでしょう。

仮に21日線を明確に下抜けた場合は、次に一目均衡表(日足)における遅行線の動きに注目し、この遅行線が日々線を明確に下抜けるような動きとなった場合には、もはや第5波は終了したとの感触がかなり強まることになるものと見ます。12年2月安値を始点とする5波構成の強気相場が終了したとなれば、その後の調整はある程度まとまったものとなり、少し長い目で見れば、昨年10月8日安値=96.57円が1つの下値メドとして意識されるようになる可能性もあるでしょう。

もちろん、今週10日に発表される昨年12月の米雇用統計をはじめとする米経済指標の結果によっては、もう一段の上値を試す可能性もないとは言えません。ただ、やはり時間的にも水準的にも今後は「あまり欲しがり過ぎてもいけない」ものと思われます。

コラム執筆:田嶋 智太郎
経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役