ニューヨークで投資家のオフィスでミーティングをしていると、フラッシュバックのように新卒でアメリカの証券会社に就職した時に、ニューヨーク本社の質素な会議室で、英語も分からないのに大勢の社員に混ざってミーティングに参加していた時のことを思い出しました。記憶の中では、会議室の中はベテラン社員が座る一方、若手社員が大勢ノートブックを抱えて立って先輩の話を聞いていて、文字通り溢れんばかりと云うか、部屋から溢れて鈴なりになって、先輩の話に聞き入っていました。

英語が分からない中で頑張って参加していた自分自身に対する郷愁の思いと共に、あの頃のニューヨークのオフィス風景と今のそれを比較・分析したくなりました。同じ会社のオフィスを比べている訳ではないので、定点観測ではないのですが、今のニューヨークのオフィスは、あの頃に比べて若者が少なく、そもそも人口密度が下がったように感じます。アメリカは明らかに高齢化が進んでいます。大統領選にしても、どちらが勝ってもおじいちゃんかおばあちゃんが大統領になりそうで、40歳ちょっとでクリントンが大統領になったのに比べると、隔世の感があります。空港の何でもショップに売ってるぐるぐる回る塔に刺さったメガネも、昔はサングラスだったのに今は老眼鏡になりました。

日本はリーディング・カントリーなので、全て先行して経験してきたことですが、一点、経済や金融政策だけは大きく違います。このような状況の中でも尚、金利を上げられるこの国は何かが凄いですね。