ルース駐日米大使が来週離任されますが、記者の質問に答える形で、日米関係の課題に関して、長期的には最大のリスクは安全保障や経済ではなく日米の若い世代の繋がりが減ってきていることだ、と云ったそうです。英語でどう云ったのか知りたいのですが、残念ながら見つかりませんでした。
国と国の間で留学生を交換し、相手国の文化や制度を学び、同時に自国のことも説明し、友人を多く作り、ホームステイすれば里親を持ち、そして自国に戻ってもそれらのネットワークを維持し、或いは更に充実させ、まわりの人に留学先の国のことを教え、そして何かあれば二国間の様々なレベルでのコミュニケーションの礎となる。それは最良の安全保障である。私は以前からそう思ってきたので、ルース大使が同様の考え方を示唆されたようなのでまさに我が意を得たりと思う一方で、日米間の留学生が本当に減ってきているのであろうと不安になりました。恐らく従来のやり方ではもうダメなのでしょう。
アメリカの大学などでも行われている、合格はしたが今年度からは入学できず一年間は海外で暮らして下さい、という形や、今年の5月2日の<留学生大量生産>というつぶやきに書いたような大規模なものや、或いは国として企業に留学の後押しをするような制度を導入するとか、何か強い意志を持って取り組むべき問題かも知れません。或いは刷り込みでしょうか。留学して成功したとか、留学して素敵な恋に落ちたとか、そんなドラマや映画を意識的に増やしていくとか?
最終的に個人の問題だと云ってしまうと、これは出生率の低下を止められないのと一緒で、もっと積極的に考えていく問題ではないでしょうか。