数日政治やマーケットに絡むつぶやきが続いたので、今日はゆるめの話を。ミュージシャンや音楽とファンの関係です。私は音楽が好きです。雑食で何でも聞きます。頻度にムラがありますが、クラシックもジャズも、その他ロックなども聴きに行きます。多いのはシンフォニーとジャズなのですが、まま経験するのは、「いいな」と思っても拍手が少なかったり、或いは大していいとは私は思わなくても、満場割れんばかりの拍手だったりとか、ギャップが良くあるのです。雰囲気から察するに、聴きに来ている人の多くは予め期待している演奏があり、即ちそのミュージシャンのファンであり、その期待通りだと拍手が多いように見えます。私はと云うと、あまり特定の期待はしないで行くことが多く、これはどうせ大したことないだろう、と云う意味で期待しないのではなく、様々な演奏のスタイルがあると思うし、同じミュージシャンでも新しいスタイルを見せてくれることもあるので、"特定のスタイル"を期待しないで、もっとフラットに何でもいいものはいいし、自分がつまらないものはつまらないし、と云うような感じで聴いているのですが、そう云う聴き方をする人は、敢えてコンサートホールやライブハウスに来る人の中には少ないような気もします。更に引いて省みると、一事が万事、人の行動や発言に対する私の評価や、食べ物などに対する私の感覚も、同根の感じ方のような気がします。良く云えば自然体、悪く云えばだらしない。ま、常に変化していくマーケットの中で育ってきたのでこんなもんですかね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。