私は通信の専門家ではないのでこれから書くことには間違いがあるかも知れませんが、予め御容赦下さい。普通の電話で当社オフィスから大阪の誰かに電話を掛けるとすると、電話はオフィスからビルの交換機に上がり、そこから京橋局かどこかに上がり、そこから千代田局だか東京都心東側の総局かなんかに上がり、更には東京のトップ、そこから遠距離線で大阪まで行き、そこから順に下の局・交換機に下がっていって、最後は目的の電話機に繋がるのでしょう。このように通信、即ちコミュニケーションを成り立たせるために、一旦一番上まで上がり、かつ通信中その回線を専有します。TCP/IPは全く違う考え方で、一々上まで上がらず、インターネット網をいきなり横やら様々なルートで進み、しかも回線を専有しません。線を共有できるプロトコルです。
この二つの通信・コミュニケーションの在り方の違いは、組織内のコミュニケーションにも当て嵌まります。即ち二通りのコミュニケーションの在り方があると思うのです。一々トップまで上がらないと物事が決まらない方法。これはトップの時間も専有しますし、どこかのネックで止まるとコミュニケーションは切れますし、当然非効率的です。もう一つはすぐに横に伝わっていく方法。インターネット同様、横に繋がらなければ上であったり脇であったり下であったり、様々なバイパスや回り道を必要に応じて使うことによって、社内のリソースを専有しないで、共有しながら効率的にコミュニケーションが図られます。明らかに後者の方が理想に近いコミュニケーションの在り方だと思います。
しかし世界中のどのような組織を見ても、これは数人の集まりから企業、更には国家(政府)や国際社会に至るまで、必ずしも理想のコミュニケーションが取られている訳ではありません。私の周りに於いても、この問題は避けては通れない問題ですが、理想に向けて様々な取り組みをしたいと思っています。時には回り道もあるだろうと思っています。しかし今更ながらインターネットの考え方って、本当に凄いですね。