昨日つぶやいたように、昨晩、故宮の近くで、アメリカ西海岸から来た人と会い、お酒を飲むために会った訳ではありませんが、やはり夜光の杯を挙げました。すると本来なら今日会う筈だったアメリカ東海岸からの人から電話があり、ディナーの後の一杯に加わることになりました。彼は一人ではなく、今は主にイギリスにいるオーストラリア人と一緒で、正にグローブ(地球)上のあちこちから人が集まって一緒に杯を挙げることになりました。

建物から出て、中庭で杯を飲み交わすと、頭上には広い空が広がっていました。中国で夜空の下で杯を挙げるとなると、どうしても思い出す李白の句があります。「月下独酌」の冒頭部分です。

「花間一壷酒 独酌無相親 挙杯邀明月 対影成三人」
(かかんいっこのさけ ひとりくんであいしたしむなし はいをあげてめいげつをむかえ かげとたいしてさんにんとなす - 花咲く木の側に酒の瓶を持ち出し、一人で酌して飲むが一緒に飲む相手はいない。杯をかかげて明るい月が昇ってくるのを迎え、月明かりによって出来た自分の影と月とで三人となる。)

「月下独酌」ではこのあと李白は自分の影を相手に踊るように酒を飲むのですが、昨晩は月齢26。空には星は見えても月は出てこず、従って自分の影もありませんでした。しかしもちろん影などいらなかったのです。On the globe から偶々集まった多くの知人自身達と、短い時間ではありましたが楽しく杯を挙げたのでした。影はなくとも楽しく飲めるお酒がやはり一番ですネ。