昨日、本当に久し振りに渋谷の街を歩きました。大学生の頃には隅から隅まで知り尽くしていた街は、随分と変貌していました。まぁそれは流石にそうでしょう。冷静に考えれば当然のことで、私の良く知っている渋谷の街はもう四半世紀も前の街なのです。昔の通りに残っているビルもありますが、全く面影のない違う建物になっているケースもあります。

しかし、道だけは変わりません。地上に建っている立体は違うのに、平面上の区割りは変わりません。いや必ずしも平面に限らず、起伏も含めて、道は変わりません。道を残して一つ一つの区画の中で破壊と再構築が行われるので、当たり前と云えばそれ迄ですが、なんか面白い気がします。これは何も渋谷に限った話ではありません。江戸中の道が、殆どは江戸時代から変わっていません。しかし建物と風景は大きく変わりました。

これは脳の中も同じようなものでしょうか?一つ一つの区画の中で考える内容や性能は変わっても、或る人の考え方の枠組みは中々変わらないものでしょうか?あたかも或る人の脳地図が、グーグルマップの「航空写真」で見ると年と共に大きく変わっていくけど、「地図」自体は殆ど変わらないように。そんなことをふと思った渋谷でした。

「年年歳歳花相似 歳歳年年人不同」とは詩の中の話であり、土地も人も放っておいたら何も変わらないのかも知れません。全ては意志だけが、変化の源泉でしょう。