オバマ大統領の人気がガタ落ちです。日本でもイギリスでも行政のトップの人気がありません。日米英同時にこうなるのは、恐らく戦後初めてではないでしょうか?しかしそんなこととマーケットは関係ないようです。先進国に於いて、政治が出来る範囲は小さくなってきているのでしょう。しかしどうして大きな政府を目指しちゃうんでしょうかね。
アメリカでは政治に関する国民の分布は、保守40%、中道35%、リベラル25%と云われています。しかしブッシュがあまりにも右だったので、国民が中道に戻そうとした選択肢がオバマで、しかし彼は中道を越えてぐっと左というか社会主義的な方向に行きすぎてしまった。そんな感じでしょうか。日本も似た状況です。自民党があまりにもグタグタなので選択肢として民主党を選んだら、同じように社会主義的方向に振れすぎてしまった。更にそこに、10年前、或いは数十年前に果たせなかった考えを実現しようとする人たちが便乗してきた。ちょっと極端な云い回しですが、それでも敢えて云うなら日本はそんな感じでしょうか。
しかし思うのですが、政治や行政というプロセスと、マーケットというプロセスは、ほぼ対極にあるということです。行政組織は、論理上、最終責任者・意思決定者は総理大臣一人ですから、郵便局経由、或いは銀行が国債を買うという仕組みで集められた膨大なお金、それは即ち国の借金ですが、その使用先、お金の行き先を決めているのは、或る意味で一人の人間ということが出来ます(若干詭弁的ではありますが)。一方マーケットは、お金の行き先を決めるのは各投資家であり、膨大な数の個々の人間の集合体だといえます。誰がお金の行き先を決めるか、という観点に於いて、政治とマーケットは全く対極にあると思うのです。そしてマーケットのプロセスの方が、遙かに民主的であると私は思います。資本主義と民主主義は不完全ではあるが人類が考え出した最良の仕組みであるとは、こういった意味から来ているのでしょう。
マーケットにもっともっと頑張ってもらいたいと願っています。