今、北京へ向かう飛行機の中でこのつぶやきを書いています。ほんの3年前頃には日本の4分の1ぐらいのGDPしかなかったこの国は、今日の瞬間では既に日本よりも大きな経済大国になっているかも知れません。この3年間、日本は一体何をしていたのでしょう。

今朝、出張の荷物を詰めている時に、最近数年ぶりに買ったスーツを入れました。裏地などがちょっとエキセントリックなこのヨーロピアンなスーツ。日本で着るのは少々憚れたのですが、そのデビューは北京となりました。そうしようと思いついた時、私は我ながらいいアイデアだと自慢気に思ったのです。北京はグローバル・シティだから。そして次の瞬間、そういう街へビジネスをしに行く喜びと、最近の日本のふがいなさに対する暗い気持ちが、複雑な感じで混ざり合いました。

日本には素晴らしい文化や、技術、伝統、人々に蓄積された教養というか「考え方」があります。しかし何かが最近ずれている。歯車がどこか狂っている。北京に発つ前の空港の待合室で、国会中継が流れていました。国民、国民と連呼するテレビの中と、待合室にいる国民の間に、得も言われぬ隔たりを感じました。日本の「良さ」は、数年でなくなる、追いつかれるようなものではありません。しかし永遠に続くものでもありません。明日ではなく今、直していかねばならないでしょう。