自動車雑誌のNAVIが休刊となるそうです。不況による広告収入の減少などが理由として挙げられているようですが、要はクルマが売れなくなったのでしょう。人口が減っているから?いや、それ以上に売れなくなっているでしょう。よく云われるのは、クルマがとても長持ちするようになったので、買い換え需要が減ったという理由です。しかしそれだけでもないでしょう。

やはり若い人がクルマに憧れを持たなくなったことが大きな理由ではないでしょうか?一旦クルマに憧れて買った人は、なんだかんだ一生の間に買い換えるでしょう。先ずは一回買う新しい購買層が減ったことが、致命的な問題になっているのでしょう。クルマはどんどん高出力・高性能・大型・高額化し、おじさんの買い換え需要の喚起には或る程度成功しましたが、安くて楽しい、若者が買えるクルマの生産、即ち新しいマーケットの創出に失敗したのでしょう。このことは、何も私が改めて云うまでもなく、定説として既に広く云われていることです。

しかしNAVIは楽しい雑誌だったし、マーケティングの失敗という問題について、考えさせられる部分が大きいです。マーケティングとはマーケット(市場)を造ることである。資産形成のマーケットも同様でしょう。資産運用の最大のマーケットはお金を持っている高齢者の方々です。しかし将来のマーケットである若い世代にアピールすることを怠ると、そのツケは大変大きなものになることを、決して忘れないようにしたいと思います。