上場企業と普通の(非上場の)株式会社はどう違うか?日本に於いては、この2つの違いは上場しているか否かの違いだけであって、法的な枠組みや、出来ること出来ないことについては、基本的に同じであると論ぜられることが多くありました。アメリカでは基本的に、会社法は州法で、上場株式に関する証券取引法は連邦法です。即ち上場か非上場かで大きな違いを認めています。
これは当然のことで、非上場企業の利害関係者は一般的に限定的ですが、上場企業となると一般の個人や世界中の投資家が自由にその株式を売買出来ますから、自ずと違う水準の要求をしているのです。日本に於いても、(有限会社を含む)株式会社は約300万、上場企業数をザックリ3000とすると、上場企業は株式会社中たった0.1%の特殊な、謂わばエリート会社であり、様々な特別な要請が課せられて当然の筈なのですが、「普通の会社に認められていることが何故上場企業に認められないのか」とか「普通の会社がしなくていいことを何故上場企業だけしなければいけないのか」などの論調が存在したのです。
例えば、大幅な希釈化を引き起こす第三者割り当て増資は、取締役会レベルの判断で、一般企業であれば行えても、上場企業であれば制限されるべきだと私は思います。
昨日東証は、「上場制度整備の実行計画2009」なるものを発表しました。取締役会のあり方、社外取締役・監査役の独立性の確保、独立役員の選任、子会社上場への対応など。まだまだ完全ではありませんが、より良い資本市場に向けて、前向きな取り組みが行われています。しっかりと見守り、推進していきたいと思います。