先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、香港ハンセン指数は続伸、創業板指数は反落となりました。上海総合指数は週初の8日(月)は前週の好調な流れを引き継ぎ7日続伸でスタート。資源価格の上昇から、資源株が堅調だった他、各社が好調な販売状況を伝えている不動産セクター、中国政府が統合を促進する石炭セクターが買われました。9日(火)も、中国人民銀行が市場金利を緩やかに引き上げていくとの見通しが台頭し、鉄鋼株などが弱い動きとなったものの、長期金利上昇の恩恵を享受できる保険株が買われた他、不動産株に堅調な勢いが続いて続伸。

10日(水)も長期金利の上昇観測から銀行株が買われた他、原油価格が上昇していることから石油株が買われて続伸。11日(木)も前日比でマイナス圏の推移の方が長かったのですが、海外と国内の好調な経済・株価動向を追い風に終盤に切り返して続伸。素材株が大きく上昇した他、銀行株・金融株も買われて相場を支えました。12日(金)もプラス圏とマイナス圏を行き来する方向感のない展開だったものの、一部の都市で不動産の引き締め政策が緩和されたことや、ゴールドマンサックスが中国の不動産市場について2018年は大幅な減速はないとの見解を示したことから不動産株が上昇し、指数上昇を牽引して続伸となり、結局、上海総合指数は11日続伸で、前週末比+1.1%の3,428.941ポイントで引けています。

一方、香港ハンセン指数は海外の好調な株価上昇の影響を受け、中国本土株よりも更に好調な株価推移となりました。こちらもやはり、石油株を筆頭に素材関連が上昇して株価上昇を牽引。また、テンセント(00700)や平安保険(02318)などの主力成長株も買われた他、好況が伝えられる中国本土の不動産株も上昇しました。香港ハンセン指数は過去最長となる14連騰となっており、前週末比+1.9%の31,412.54ポイントで引けています。

中国株は年初からこの上ないほどの好発進となりました。上海総合指数は、値動き自体小幅だったものの11日続伸となっていますし、香港ハンセン指数は過去最長の14日続伸で、投資家が非常に強気になっている様子が伺えます。内容を見ても、世界経済の強さが原油価格などの資源価格を押し上げ、物価や金利も押し上げる中で、株価も上昇していくという、強い相場展開となっています。もちろん上がり続ける株はないので、調整をはさみながらということになりますが、引き続き中国株は堅調な値動きが期待できると思います。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)