明日は春分です。彼岸の中日です。江戸時代の百科事典、和漢三才図絵には、「春分・秋分は昼夜が正等(ひとし)いので時正(じしょう)という。この二中において善根を殖(そだて)ることは、どうして到彼岸の因縁とならないことがあろうか」と書かれています。分かったような分からないような説明ですが、昼と夜の長さが等しいと云う天文的事実に、日本人は大きな哲学的意味を見出していたのでしょう。
国民の祝日である春分・秋分が、未だに天文学上、黄道が赤道と交叉する点に太陽が来た瞬間を含む日を春分の日・秋分の日としている(即ち年によってずれる訳ですが)ことからも、どれだけ大きな意味を感じてきたかを推測できます。東京では今日、桜の開花宣言が出されました。恐らく一週間後あたりが見頃でしょうか。徒然草には、「花の盛りは、冬至よりも百五十日とも、時正の後、七日とも言へど、・・・」とあるので、正にドンピシャリです。四季のある国に居ることを大切にしていきたいですね。