先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数は反落、香港ハンセン指数は小幅続伸となりました。上海総合指数ですが、週初の10月16日(月)は午前中に発表された9月の生産者物価指数+6.9%と、予想の+6.4%や8月実績の+6.3%を超える強い内容だったことが好感されて高い場面もあったのですが、その後は、週後半の経済指標発表を確認しようという様子見姿勢も台頭し、後場にかけて利食い売りに押されて値を消しました。17日(火)も翌日から共産党大会が開催されることなどを控え、様子見基調で小幅続落。

しかし、18日(水)は小反発。この日始まった共産党大会に伴い、当局の株価買い支えの期待感が膨らみました。個別では、9月の保険料収入のしっかりした伸びが好感されて保険株が高い動きとなった他、習近平国家主席が医療保険制度の構築促進について述べたことから、医薬株が高い動きとなりました。しかし、1-9月の固定資産投資が+7.5%と予想の+7.7%、1-8月の+7.8%を下回ったことが原因で19日(木)は反落。その他、中国銀行業監督管理委員会(CBRC)の郭樹清・主席が金融業界に対する監督を強化する方針と伝えたことも嫌気されました。20日(金)も前場は軟調ムードが続いたのですが、上海市が自由貿易試験区から一段と規制を緩和する自由貿易港の設立を計画しているとの報道から関連株が高騰し後場にプラスに。結局、上海総合指数は前週末比で0.4%安の3,378.648ポイントで引けています。

一方、香港ハンセン指数は引き続き、高値圏でのもみ合いが続いた印象です。こちらは週初から堅調な展開。米国の株式市場が堅調なこと、中国の生産者物価指数が強い内容だったこと、香港証券取引所(00388)が株式売買の取引税廃止を政府に求める方針と報道されたことが追い風となり、香港ハンセン指数は9年10カ月ぶりの高値を更新。その後も小幅続伸が続いたのですが、19日(木)に急落。中国の固定資産投資などが予想を下回ったことなどが原因です。しかし、20日(金)にはすぐに反発となって持ち直し、結局、香港ハンセン指数は前週末比10.81ポイント高の28,487.24ポイントで引けています。

横ばい気味の株価推移が続く中国株ですが、その内容を見ると非常に強い内容と思います。中国の経済指標は全般的に堅調ですし、今回の共産党大会で習近平政権の地盤は更に固められ、その面子からも株価が急落するようなことのないように、当局の買い支えは続くとみられます。一方、好調な欧米株式市場の追い風を受けて香港ハンセン指数も堅調な推移が続くと予想します。

コラム執筆:戸松信博

(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)