今日は私が一番よく知っている人の誕生日です。小さい頃は、彼は毎年その日を心待ちにしていました。そして、クリスマスとほぼ同時期に来るために、プレゼントが1つ減ってしまうのではないかといつも心配していました。その頃の彼は、プレゼント欲しさだけでなく、年令が上がり大人に近付くことに、興奮していたようでした。
或る頃から彼は、この日が来るのを複雑な気持ちで待つようになりました。誰が祝福してくれるだろうか?或いはどのように祝福されるだろうか?と云う、淡い、甘い期待を持つようになったのでしょう。そう云う時期が、彼には長かったように思います。そしてまた或る頃から、彼はこの日が来るのが恥ずかしくなったようでした。祝福された時の反応に、困るようになったのでしょう。
そしてようやく今年から、単に素直に喜んで、ちょっとだけ照れるだけになりました。自我の成長、自意識の芽生えと変遷、そして或る意味での感覚の鈍化。様々な変化が、彼の中に起きてきたのでしょう。しかし彼には未だ、今までの人生と同じくらいの期待余命があります。これから先はどんな変化をしていくのでしょうか。ひとつ云えることは、彼の目の中に映る人影は年々と増えているようであり、またこれからも、増え続けることを望んでいるようです。そんな彼と、今晩は出掛けたいと思います。