人の能力は無限でしょうか、有限でしょうか。若い頃、私は無限だと思うことがありました。今ではそれは錯覚であると信じています。人間も最終的には物理的な構造物です。人間の持つどんなものでも、無限である由がないと思っています。「デザートは別腹」と云う人が居ますが、これも腹八分目程度にしか食べていないからで、本当にギリギリまで食べたら、「別腹」など悠長なことは云ってられない筈です。胃は有限の領域だからです。脳も物理的な作用ですから、その活動も有限でしょう。
心も脳の中にあると考えると、やはり有限でしょうか。能力が有限であるとすると、或る「コト」−例えば仕事−にどれだけその能力を割り当てるかによって、その人にとってのその仕事の達成可能性、達成品質の高さなどが決まるでしょう。要は「フォーカス」がとても大切だと思うのです。仕事をしていくために一番大切なことは「好奇心」であると常に思っているのですが、それはただ単に好奇心旺盛であることが大切であると云う意味ではなく、「仕事に対する」好奇心が大切であると云うことです。人の能力に限らず、世の中の殆どのものは有限です。有限なものをどう使うかを、ちゃんと考えていきたいと思います。