私がこよなく愛した食べ物屋さんがあります。店の親爺は昨年の11月に突然閉店宣言をし、宣言通り12月末で店を閉めてしまいました。親爺にはお弟子さんがいましたが、彼は店を継がずに違う店に修行に出ました。
あれから早9ヶ月。私は同じ味を求めて、或いは違う味を求めて、違う分野も含めて色々なお店に顔を出しました。しかしやはりあそこが一番美味しい。全く同じ味でなくてもいい。しかしあの店を想い出させるものを食べたい。そういう気持ちが煮詰まって、私は昨日、遂に、そのお弟子さんに初めて電話をしました。電話は鳴るも声はせず。留守番電話にメッセージを残した所、あとで先方から電話が掛かってきました。彼曰く、「今日○○試験の発表があるのですが、それに受かったら電話をしようとちょうど思ってました。」私曰く、「私も色々と修行してきました。そろそろ一緒に美味しい店を覗きに行きませんか?」
−前途は単純ではないでしょう。しかしこの縁を大切にしていきたいと思います。