先週の中国株ですが、旧正月の連休に伴い、中国本土株は2月3日(金)だけの取引、香港株は2月1日(水)~3日(金)の3営業日の取引となりました。上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数、香港ハンセン指数は揃って反落となりました。上海総合指数ですが、3日(金)は終日軟調な株価推移に。理由は中国人民銀行がリバースレポ取引の金利を全面的に10ベーシスポイント引き上げたことから、金融引き締めが警戒されたためです。また、3日に発表された1月のCaixin製造業購買担当者景気指数が51.0と12月の51.9や市場予想の51.8を下回って着地したことも株価には悪影響を及ぼしました。売買代金も低水準で、結局、上海総合指数は前週末比0.6%安の3,140.17ポイントで引けました。
一方、香港ハンセン指数は3日(金)まで4日続落となっています。ただし、強い下落基調というわけではなく、どちらかといえば様子見基調の展開でした。連休明けの2月1日(水)は米国のFOMCの結果発表を控える中で様子見基調に。2日(木)は一時、年初来高値を更新したのですが、翌日の3日(金)に米国の雇用統計の発表や中国本土市場の再開が控える中で、株価は調整してしまい、結果的に小幅安に。3日(金)は前述の中国人民銀行のリバースレポ取引の金利引き締めが市場心理を圧迫したものの、後場にやや戻して小幅安に。結局、香港ハンセン指数は前週末比1.0%安の23,129.21ポイントで引けています。
今後の見通しですが、先週は休み明けで売買代金も低調でしたので、今週からがいよいよ旧正月後の本格的な取引再開となります。中国経済については、中国人民銀行の金融引き締めへの動きは気になるところではありますが、前述のCaixin製造業購買担当者景気指数もそうですが、中国の経済指標は底堅い数字が出てきています。また、3月に開催される全国人民代表大会に向けて政策情報が増え、期待感が増してくるのではないでしょうか。ただし、米国のトランプ大統領の中国に対する通商政策や米国の金利先高感が懸念材料になりますので、具体的な政策が見えてくるまでは様子見基調の株価推移が続く可能性もあるところと思います。
コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)