先週の木曜日に、人民元が切り上げられました。これは大きな一歩ですが、私は緩やかで長〜い長〜い道程の始めだと思います。

今回の切り上げは2%。ニクソン時代にブレトンウッズ体制が崩壊し、1ドルは360円から308円に切り上げられましたが、この切り上げ幅は約14%です。その差は7倍。2%の切り上げが7回行われて初めてニクソンショック1回と同じ幅の為替の調整が完了します。仮に1回の切り上げに2年掛かるとすると10年以上の時間が必要になります。更にニクソンショックからプラザ合意まで14年間ですから、これも7倍掛かるとすると中国の場合は100年を要することになります。

もちろん私は、人民元が真の変動相場制に移行するのに、110年も掛かると真剣に考えている訳ではありません。しかし、中国はあまりにも大きく、急速な変化は国内的にも国際的にも受容し難いものであることを理解すべきだと思います。以前にもつぶやきで書いたことがありますが、中国語には基本的に時制がありません。歴史の中の評価を気にする儒教的な思想にもこのことは影響を与えている気がするのですが、ひとつのことを行うのに長い時間を要することとも(どちらが原因でどちらが帰結か分かりませんが)、何か関係があると思います。

しかしやはり大きな一歩です。しかし一時(いっとき)を争う出来事ではないでしょう。金曜日に人民元のことではなく、郵便局のことをつぶやいたのは、私にはこちらの方が緊急事態に思えたからでした。