今日は夏至です。夏至は太陽が一番高い日ですが、月はどうでしょう?今日は旧暦5月15日、十五夜です。(月齢は14.2なので、明日の方が真ん丸に近く「満月」ですが、便宜上今晩を満月と呼ばせて頂きます。)今日の満月は、恐らく一年で一番低い満月です。陰暦と太陽暦にはずれがありますから、夏至=満月とは限りません。今年が偶々一緒になっただけです。

月は太陽のように季節によって高くなったり低くなったりするのではなく、一月の間に高低が変わるのですが、基本的に夏の満月は低く、冬の満月は高くなります。今日は一年の中で太陽が最も高く、満月が最も低い、希有な日です。
小さい頃は月よりも太陽を見る機会が多かったのですが、今は逆になりました。夏の夜は短いので、夏の月はあまり見ることが出来ません。古今集には、「夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月やどるらん」(清原深養父)という名歌がありますが、新古今集には「庭の面は まだ乾かぬに 夕立の 空さりげなく 澄める月かな」(源頼政)という歌があります。深養父(ふかやぶ)の月は夜明けの西の空に見える左側の三日月、頼政の月は夕方の東の空に見える右側の三日月です。

これまた小さい頃は頼政の月を見ることが多かった訳ですが、今では逆に深養父の月を見ることが増えました。歳を取ったものですネ。