イギリスの科学誌ネイチャーは、いつも興味深い話題を提供してくれます。最新号によると、「オキシトシン」というホルモンには、投資に関して相手方を信頼する働きがあるそうです。紛らわしいのですが、これは「相手を信頼させる」ホルモンではなく、「相手を信頼する」ホルモンです。ですから、このホルモンを証券会社が悪用することは出来ません。しかし何故こんなホルモンがあるのでしょうか?

人間はホルモンの助けを受けないと、他人を信頼することが出来ないのでしょうか?或いはホルモン抜きの人間は、いずれにしろ全くもって自分勝手で無軌道な生き物であり、「人間らしい」行動は全てホルモンのお陰だと考え、人を信頼するのは正に「人間らしい」行動と捉えるべきなのでしょうか?

いつの日か人間の感情の仕組みは、完全に解明される時が来るでしょう。しかしそれが分からないから感情が発生する訳で、分析やコントロールが可能になってしまうと、そもそも分析・コントロールする対象である感情の活動がなくなってしまう気もします。未来は必ずしも現代よりもいい所ではないかも知れませんね。