嘗て、時の金融庁長官が、証券取引所間の競争はいいことだと発言しましたが、その時から私はその考え方には反対です。市場の中での企業間競争と、市場自体の競争は、分けて考えられるべきだと思います。競争のためのプラットフォームが、自らの競争と保存のために、安定したプラットフォームを提供できなくなれば、それは本末転倒と云わざるを得ないでしょう。

今日の出来事の意味する所は、更に地方証券取引所の議論にまで及ぶでしょう。地方経済の活性化・地方企業の発掘を、複数の市場の割拠の意義だと唱える人もいますが、それは大きく安定したプラットフォームの中に地方支部を作ることで解決されるでしょうし、その方が多くの投資家が地方企業に注目する機会を増やしてより良いのではないでしょうか。

自由競争は、全てのことにいいものだとは限りません。安定した資本市場の確立のために、今一度この問題は真剣に議論されるべきではないでしょうか。