生まれて初めて中国本土に行ったのは、未だ10ヶ月程度前のことですが、この間に既に5回ほどこの地を踏みました。中国は、近くて遠い国とも云われますが、私はとても近い国だと感じます。有史以来つい数十年前まで、我が国が最も影響を受けた国は中国でした。儒教の道徳観や漢詩に謳われた美意識に、我々は−少なくとも私は−大きく影響を受けているのは明かです。一度こじれた親戚関係のような面があると思いますが、現在世界第2位の経済大国と、将来世界一の大国になるかも知れない国は、もっともっと真剣に密に関係を再構築していくべきでしょう。日本よりもアメリカの方が中国に近いとか詳しいというような状況は、決して起こしてはいけないと思います。
さて、そんな中国にまた来たのですが、色々な角度から私なりに此の国の行方を観察しています。近代化が此の国の大きなテーマですが、これは簡単なようで難しい気もします。マーケットは巨大であり、テクノロジーも十分あります。たった2〜30年前の日本製品やアメリカ製品の品質と、現在のそれを比べれば、中国製品の品質も早晩良くなってくるのは当然のように思えます。しかしもしそれが当然であるならば、帰納法的に考えると、何故今迄近代化から取り残されてきたのかが説明できません。此の国には、全体的な発展を阻害する仕組みがあった筈です。それが取り除かれなければ、近代化は予定通りのスピードで進まないでしょう。
阻害要因とは、恐らく少人数による支配でしょう。韓国同様オリンピックを機に、真の民主的政府の樹立が目論まれるという憶測もあります。一方で絶対的権力を持った政府がなければ、13億の人民をマネージできないという考えもあります。いずれにしろこれからの数年間は、特に目が離せないことになりそうです。
マネックス・ビーンズでも本日から中国株(香港株ですが)の取扱いを始めました。是非御確認下さい。