お鮨の話は何度も書いてきましたが、今日はちょっと恨み言を一つ。昨年の暮れにお気に入りのお鮨屋さんが突然店仕舞いして以来、色々なお鮨屋さんに行ってみました。雑誌で評判の鮨屋。人から聞いた鮨屋。そして以前行ったことのある鮨屋。まるで別れた彼女の面影を探し求める男のように、色々な所に顔を出してみました。しかしどうもパッとしないのです。

「ここはおいしい!」と思う所もあるのですが、もう一度行くと裏切られたりします。何かが足りなかったり、何かが過剰だったり。まるで無い物ねだりをする子供のように、いつまで経っても満足がいきません。最近では新しいお鮨屋さんをチャレンジする気力も落ちてきました。

更に困ったことには、食の季節感が乏しくなってきたことです。今頃ならこのお魚、そろそろあのお魚。そんな楽しみも出来なくなり、日々の生活全体に対する季節感までが落ちてきてしまいました。これは重症です。このままグレてしまってはいけないので、鮨に限らず、季節感のある食を探したいと思います。そうして感傷的な彷徨から、ようやく脱却できるのでしょうか。