先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数、香港ハンセン指数は揃って反発となりました。先々週に米国の利上げ懸念や中国証券監督管理委員会(CSRC)が裏口上場や再編の管理を厳しくすると発表したことから急反落となった上海総合指数ですが、先週は週初から反発基調。大幅安となった先々週からの反動に加え、当局が公開市場操作で市場に資金を注入したことなどが伝えられ株価の上昇要因となりました。9月20日(火)は小反落となりましたが、21日(水)は中国の鉄鋼大手の宝鋼集団と武漢鋼鉄集団の合併計画が報道されるなど、鉄鋼株が株価上昇を牽引して反発となり、強い基調を保ちました。ちなみに宝鋼集団と武漢鋼鉄集団の合併計画は9月22日(木)に国務院が承認しています。

そして、21日(水)のFOMCで米国の利上げが見送られると、22日(木)は安心感から続伸となりました。ただ、高値圏では利食い売りに押され上ヒゲを作るチャートに。そして、23日(金)はその流れを引き継ぐ形で続落となりました。もっとも、官民パートナーシップ(PPP)モデルプロジェクトの第3段の結果は既に確定しており、現在当局の承認待ちの状態であるとの報道が流れ、株価の下落幅は限定的でした。ちなみに、PPPモデルプロジェクトですが、第1弾は投資総額1,800億元、第2弾は投資総額6,589億元が批准されており、第3弾の投資総額は1兆元に達する見込みで、中国経済の大きな下支えになるものと見られています。

香港ハンセン指数も上海総合指数と同じような値動きとなりました。特に22日(木)は米国の利上げ見送りを好感して、一時2万4,000ポイントまで上昇しました。もっとも、終盤は上海総合指数と同じく利食い売りに押され、下げて引けています。個別では大型株のテンセント(00700)が年初来高値を更新し、一時220HKDの高値を付けました。その一方で、中国本土銀行株は週末に大幅安となっており、週間では小幅高に留まっています。

今週ですが、中国の経済指標では9月30日(金)に9月のCaixin製造業購買担当者景気指数が発表となる予定です<市場平均予想50.1、8月実績50.0>。ただし、中国本土市場が9月30日(金)から国慶節の長期連休に入ることから(国慶節の連休は10月1日(土)からですが、9月30日(金)は国慶節前日で中国本土の株式市場は休場となります)、中国本土株は積極的な売買は手控えられると思います。一方、香港市場も国慶節の長期連休を前に中国本土からの資金流入が減少する見通しであることから、こちらも様子見基調の株価推移になるのではないかと見られるところです。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)