アメリカの大統領選が、更に近づいてきました。もうニュースをどこかで読まれた方も多いでしょうが、アイオワ大学はIEMという「小型ナンデモ先物市場」を運営しており、ブッシュが勝つかケリーが勝つかというマーケットも開いています。ブッシュが勝つと1ドル貰えるというコントラクトが60.8セント、ケリーが勝つと1ドル貰えるコントラクトが39.5セントで取引されており、両者の開きは21.3セントにもなります。一方で、CNNの世論調査によると、ブッシュ支持が52%、ケリー支持が44%となっており、両者の支持率の差は8%です。勝つと総取りのマーケットと、元々の支持率との間に、13%以上もの開きがあることになります。これは中々興味深いことです。恐らく、「支持率は僅差だが、最終的に勝つのはブッシュだろうから、賭けるならブッシュにしておこう」というトレーダーの心理が表れているのでしょう。選挙制度自体が、ちょっとでも勝てば総取りという仕組みになっていますし、前回の大統領選では国民レベルでの得票数は民主党の方が多かった訳ですから、選挙とは本当にナマモノだと思います。資本市場ではかつて、先物は善玉か悪玉か等という議論がなされたことがありますが、将来の結果の予想を見せることによる効能というのもあるでしょう。例えばこのチャート:
http://128.255.244.60/graphs/graph_Pres04_WTA.cfm
IEMのブッシュ対ケリー先物市場の値動きですが、これを大勢の人が見ると、おそらく民主党への投票が増える、即ち現在の選挙の動向に対して牽制が機能するのではないでしょうか。もう一つ思うことは、このチャートの値動きの激しさを見ると、ひと言口を滑らすだけでも情勢は逆転しかねないでしょう。これから2週間、目が離せないですね。