急にめっきり秋らしくなってきました。風が涼しく、夜は虫の声も賑やかです。秋は「食欲の秋」とか、「運動の秋」と言われますが、証券界的には「IPOの秋」です。3月決算の企業が多いので、審査のプロセスなどの事情から必然的に秋に上場する企業が増えます。当社の引受チームも、今頃から年末までが一年のうちで最も忙しい時期になります。本日キャリアデザインセンターのブックビルディングが終了しましたが、当社に於いて現在ブックビルディング中なのが、電源開発、興銀リース、ジー・エフの3社、これからブックビルディングが始まるもので既に発表されているのが、新華ファイナンス・リミテッド、アートコーポレーション、エイチ・エス証券、ワイズマン、チップワンストップ、ワンダーコーポレーションの6社になります。正にIPOシーズンの幕開けです。このうち新華ファイナンス・リミテッドは、今朝の各紙にも報道されていますが、未公開の海外企業が日本市場だけに新規上場する初めてのケースで、かつ中国企業と言うことでとても新しいケースです。「全てのIPOにはドラマがある」と言いますが、それぞれの企業、それぞれのIPOに独特のストーリーがあり、新しいタイプの会社や新しい形態の新規上場は、これからも積極的に取り組んでいきたいと考えています。「味覚の秋」に向けて、IPOに限らず、様々な投資対象を御案内していきたいと思いますので、それぞれの違いを噛み分けて頂ければ幸いです。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。