先週の中国株ですが、上海総合指数と創業板指数は続落、深セン総合指数と香港ハンセン指数は反落となりました。先週はMSCI新興国指数への中国本土A株の組み入れに尽きます。上海総合指数ですが、週初の6月13日(月)は6月15日(水)に予定されていたMSCI新興国指数への中国本土A株の組み入れが不確実だとの思惑から大きく下げました。そして結局、15日(水)早朝にMSCIはMSCI新興国指数への中国本土A株組み入れ見送りを発表しました。ところが見送られはしたものの、逆に材料出尽くしとなり、発表後の15日(水)は2週間振りの大幅上昇となりました。また、採用見送りにもかかわらず、株価が大きく下がらなかったことで、当局が介入を行っているのではないかとの思惑も拡がりました。
もっとも、その後はブレグジットへの懸念や欧米の株安を受けて、横ばい基調となりました。個別では17日(金)に山東省政府が優良な石炭企業への融資支援策を打ち出したことから、石炭株が買われたことなどがありましたが、相場全体への影響は限定的でした。なお、15日(水)には5月の人民元の新規融資額が9,855億元と発表され、市場平均予想の7500億元や4月実績の5,556億元を大きく上回りましたが、マネーサプライ(M2)は+11.8%と、市場平均予想の+12.5%、4月実績の+12.8%をそれぞれ下回り、結果として相場への影響は限定的でした。
一方、香港ハンセン指数ですが、こちらも世界的な株式市場の調整の波や本土株の急落に押され、6月13日(月)は大幅続落でスタート。そして6月15日(水)の始値までは続落基調が続いたのですが、15日(水)に中国本土株が反発すると、MSCI新興国指数の本土株組み入れ見送りは株価に織り込まれたとの見方が拡がり、香港株も反発。ただし、こちらもブレグジットに対する様子見姿勢から株価の上昇は限定的でした。今週ですが、中国は大きな経済統計の発表はありませんが、やはりブレグジットの結果が中国株にも大きな影響を与える見込みです。
コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)