牛丼がなくなり、代わりに春がやってきました。今日の東京は明らかに暖かい。朝の空気の質量が、昨日までよりちょっと軽い気がし、鳥の鳴き声も、高揚したさえずりに変わりました。私はまだ見ていませんが、ふきのとうを発見したという社員もいました。世の中の空気の全ての分子が、昨日までとは違う何かを持っている気がします。春と言えば・・・、やはり天ぷらでしょうか。ふきのとう、たらのめ。萌え出す春をパクンと口に入れる。中々オツなものです。しかし天ぷらというものは、ナチュラルに美味しいものではないのかも知れません。ふきのとうもたらのめも、或いはハゼだって、天ぷらにする以外ではアクが強くてとても美味しくは食べられないでしょう。熱くなければ食べられないというのも、どこか無理をしている気がします。塩を直接付けたり、場合によってはカレー粉を付けて食べるというのも、どこか怪しい。
でもやはり春は天ぷら屋さんに行きたくなります(春以外でも天丼は食べたくなります)。春の兆しに話を戻すと、所々梅の花も咲き始めています。
『よそにのみあはれとぞ見し梅の花あかぬ色香は折りてなりけり』(古今集春歌上・素性法師)
春は人の気持ちを無差別に高揚させるものです。慎重になるべきとの考えもあるでしょうが、素直に浮かれるのも手でしょう。今日の小泉内閣メールマガジンによると「悲観は気分、楽観は意志」とのことですが、春なんだから気分から明るく行きましょう。