吉野家の牛丼が、遂に明日一杯で(一部店舗を除き)姿を消します。中学生の頃からお世話になった牛丼。私はいつも「並と卵」と言いながら、ガラスケースに手を伸ばしてお新香を取っていました。「つゆだく」や「ねぎだく」もイケますが、頼むのがちょっと恥ずかしくて、結局いつも「並と卵&お新香を食べる」、でした。先週の金曜日、夜遅くまで何も食べずに会社で仕事をしていました。八重洲口の吉野家にはよく行くのですが、最近は夜10時には閉まってしまうそうです。このように遅くまで食べ損ねた日は、大体いつも吉野家でサクッと食べたのですが、もうそれもできません。諦めて家路に就いたのですが、地元の駅前の吉野家はまだ開いていました。「カレー丼かな、マーボー丼かな。いずれにしろ一度食べてみよう。」と思って入ったのですが、隣の人が牛丼を食べています。あぁ、なんとウレシかったことか。当然並と卵とお新香を食べました。9日、10日は「キュー・トォー」で牛丼の日です。そんな日に、そんな日を最後に11日から牛丼販売を停止しますと発表した安部社長は、きっとこよなく牛丼を愛しているのでしょう。駈け込み需要から1月の牛丼販売は好調だったようです。私のように、一緒に頑張る気持ち、応援する気持ちで牛丼以外の丼を食べる人もいるでしょう。そして、いつの日か牛丼が復活する日には、また大勢が牛丼を食べに行くでしょう。そんなことからか、吉野家の株価はさほど売られていません。見捨てたものではありません、このマーケット。吉野家さんと、ゼンショーさん(すき家)と、なか卯さんと、そしてまだ販売を続けている松屋さんと(上場牛丼4社)、そして全国の牛丼ファンにエールを送りたいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。