重さと値段の関係を考えてみました。トヨタ・ビッツは830キロで84万円。大体、キロ当たり1000円です。セルシオはキロ4000円程度。
世界的に高いものだと、ポルシェ・カレラGTとフェラーリ・エンツォがどちらも1300キロぐらいで、それぞれ約5000万円と8000万円ですから、キロ4万弱と6万強になります。
一方で食材はどうでしょう。日本人が大好きなマグロは、最高級の本マグロだと、キロ当たり2万5000円もするそうです。しかしそれは頭や骨付きの値段であり、それらを除いたお鮨屋さんなどで食べられる部分は、全体の半分程度だと言いますから、お鮨屋さんの美味しい最高級マグロはキロ5万円になります。これは仕入れ値ですから、売価はもっとするでしょう。
車1キロに5万円かけるヨーロッパ人と、食材1キロに5万円かける日本人。中々面白い対比ですね。ではアメリカ人は何にお金をかけるのでしょう?人材でしょうか。アメリカの主要企業数百社のCEOの平均報酬は4百万ドル程度のようなので、太目に見てもキロ500万円はしそうです。所変われば品変わる。カネのかかった部分は、やはり進歩も速いようです。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。