昨日は個人の趣味によって統制が取られている美術館が好きであるとつぶやきましたが、逆に自分に関しては、お気に入りのコレクションを他人に見られるのは恥ずかしいことだと思っています。
これは対象物にも依るのですが、レコード(CD)のコレクションはそれほど恥ずかしいとは感じません。しかし例えば本棚となると、他人に見られるのにはかなり抵抗があります。何に興味があるか、何に悩んでいる、もしくは悩んだか、どういう考え方をしているか、などが全て見透かされてしまうと思うからです。自分の弱い部分が特に浮き彫りになるような気がします。ブラウザーの「お気に入り」も同様で、とても他人に見せられるものではありません。情報を得るトリックがばれるのはまだしも、密かな興味なども全て白日の下に曝されてしまうので、ストリーキングのような恥ずかしさがあります。美術品や音楽は「趣味」ですが、本やウェブ・ページはもっと生々しく生活に密着しているからでしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。