歳を取るに連れ(と言ってもまだ大した歳ではありませんが)、涙脆くなりました。今朝も新聞を読んでいて、思わず涙が零れてしまいました。
人はどういう時に涙を流すのでしょう。小さい子供の頃は、物理的に痛いと泣きます。しかし大きくなると、段々物理的な痛さには涙を流さずにこらえられるようになります。思春期を超えて多感な頃は、感動したり、悲しかったりして涙を流すようになります。それは或る意味でシンプルな心の震えだと思います。しかし更に大人になると、また違うものに涙を流すようになる気がします。私の場合、堪え難きを堪え、忍び難きを忍ぶ、或いは超え難きものを超えようとする人の営みに、その苦難や、高い志、尊い心を感じて涙が流れることが多くなった気がします。私なりに、それだけ色々な困難を知ってしまったのでしょうか。これから更に年を経ると、涙を流す対象も変わっていくのでしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。