サーガッソー(SARGASSO)とはホンダワラ類の海藻のことですが、バーミューダ海域の、一度迷い込んだら抜けられない魔の海、難破船の吹き溜まりのような領域をサーガッソーの海と呼びます。SF物では、宇宙船の墓場のような魔の領域のことも、よくこの名前で呼ばれます。サーガッソーの名は色々な所で、ちょっと神秘めいた形容詞としてよく使われるのですが、私にとって一番馴染みのあるサーガッソーの海は、そういう名前のCDです。
以前にもつぶやきで書いたように、ドイツのECMレーベルという極めて透明感の強いジャズを専門にプロデュースするレーベルが私は大好きです。ECMのCDは大概どれでも楽しめるのでたくさん持っているのですが、その中の一つにジョン・アバークロンビーというギタリストがラルフ・タウナーというギタリストとデュオで(その他の楽器を入れないで)弾いている「サーガッソーの海」というCDがあります。大学生の時に、聴いたこともないこのレコードを唯単にECMだからということで買ったのが出会いなのですが、なんとも幽玄な、霧に包まれた無重力空間を彷徨うような音楽です。深夜に聴くも良し、目覚めに聴くも良し、手放せないCDです。1976年、オスロでの録音ですが、ジャズはバップでもニュー・ジャズでも、やはりこの数十年進歩が止まっている感を拭えません。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。